#10 外国人による不動産取得:0円物件の実態と課題

外国人が日本の不動産を取得することについての議論は、日本の不動産市場において重要なテーマです。ここでは、0円物件の外国人への譲渡について考える際に、考慮すべきポイントや課題について探ってみたいと思います。

外国人への0円物件の譲渡に対する現状と問題点

1. 外国人からの問い合わせはあるが、実際の取引は少ない

「みんなの0円物件」にも、外国人からの物件取得に関する問い合わせがちらほらあるものの、実際に取引に至るケースはそれほど多くはありません。複雑な不動産取引の円滑なコミュニケーションが難しく、外国人が0円物件に興味を持つことはあっても、取得まで至るケースは稀であるのが現状です。

2. 一般の不動産との比較

0円物件に限ったことではなく、高級マンションやビル、リゾート地などが各地で外国人によって取得されるケースをよく報道等で耳にします。0円物件はむしろ価値がないものとして、そうした外国人にとって見向きされない傾向があることも考慮すべきです。

0円物件だからということではなく、外国人が取得可能なすべての不動産をどのように取り扱うかについて、考慮すべきポイントであると考えます。

3. 外国人であることの判断と不動産取得

0円物件を取得する際、その取得者が外国人かどうかを判断することが困難である点にも課題があります。

個人の場合は、名前や身分証明書などでまだ判断が可能かもしれません。しかし不動産取引では法人(会社)が不動産を取得するケースも多く存在しています。

いま現在の不動産の名義人は、下記のように登記簿(権利部)を見ることで確認できます。

しかし、一度法人で不動産を取得した後、法人の代表者や筆頭株主が外国人となった場合にも、その変更が不動産登記に反映されるわけではありません。つまり実質的な所有者の判断が難しい状況です。

また空き家問題は個人の話にばかりが注目されがちですが、このように法人で取得できることを踏まえると、清算法人(現存しない会社など)名義のままとなっている不動産も多数存在していることが考えられ、これらがまた新たな不動産の問題を生んでいます。

まとめ

0円物件を外国人に譲渡することについては、そもそも件数自体が稀であるものの、さまざまな観点から問題が指摘されています。しかしこれは0円物件だからということではなく、すべての不動産に共通する問題です。

こうした外国人の不動産取得をどのように考えるか、ルールや登記制度の整備についての国民的な議論が必要です。

不動産市場全体を考慮した上で、問題解決に向けて国や地域ごとに適切な対策が行われることを期待します。

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