#k03 公示価格は鑑定価格。ウソ?ホント?

平成6年評価替時から、固定資産税評価(土地)は、公示価格の7割程度を目途とする、とされた。したがって、土地の固定資産税評価額は、公示価格の3割引の価格が前提となっている。

公示価格が上がれば固定資産税も上がり(正確には据置期間中は上がらないので、評価替時)、下がれば固定資産税も下がる。

固定資産税は公示価格と連動しているので、納税者は公示価格にもっと関心を持つべきである。

今年も地価公示価格が発表された。

全国的にも地価水準の回復傾向が見られるのは好ましいと思われる。

何故なら、資産価値が下がって喜ぶ人はいないからである。

ところが、政府も国民もどういう訳か、地価上昇を好まないようである。

株式等の資産価値の上昇は誰も文句は言わないが、不動産だけは資産価値の上昇に文句を言うのは何故だろうか。

日本人のジェラシーには困ったものだ。買うまでは安い方が良いと言い、買ったら高い方が良いと言う人が大半である。

地価の上昇・下落で一喜一憂している国民にもウンザリである。

ところで、公示価格は二人の不動産鑑定士の価格を基に決定されていることになっている。

実際は、二人の不動産鑑定士の価格を基に、土地鑑定委員会が判定して公示価格として発表しているが、二人の価格が一致していれば鑑定価格=公示価格となるが、異なればその中間値を採用することが多いと聞いている。

この場合は、公示価格は鑑定価格ではないことになる。地価公示の評価書は開示されているので、発表された公示価格と二人の不動産鑑定士の鑑定価格をチェックしてみるのも一つの方法である。

著者:不動産鑑定士 堀川 裕巳(北央鑑定サービス株式会社 代表取締役)

出典:鑑定雑感 2023年5月25日「土地評価のウソ・ホント ~ Vol.2
出典:鑑定雑感 2023年6月8日「土地評価のウソ・ホント ~ Vol.4

この記事をシェアする
目次